CVSの生態図鑑

自分の周期性嘔吐症(CVS)の症状記録とともに、いろいろな視点で生態観察します

好転 2020/12〜2021/1

2020の年の終わりにかけて、やる気もどんどんなくなっていくので焦るばかりだった。

12月は作品展示もしたので何かと大きな行事が多かった。それで、ここで頑張っておこうと展示で見にいらした方とたくさんお話ししたり、外に出るように頑張るときは頑張った。しかし、やはり頑張った次の日は倒れたように動けないようなだるさと疲れが出た。

冬休みが始まっても課題の打ち上げ(zoom開催)やボランティア活動が2日ほど続き、その後やっとフリーになったところで私の充電は切れた。

クリスマスの日に仲のいい友達と3人でご飯を食べたりして自分が疲れたことを聞いてもらって、心も休めたつもりだったが私の体は冬眠に入っていくばかりでおかしいなと思っていた。

ついに年末年始あたりは「寝る・食べる」のどちらかしかしない生活!になって、外に出たのは友達の家に行ったときだけ。大雪の予報も出ていたので、前もってディスカウントショップで2週間分の食材を買い出しておいた。

これが本当に不思議で、12時〜1時前後に寝ても翌日昼過ぎまで普通に寝られる。寝すぎによる肩こりや頭痛になることもなく、ただただ気持ちよく布団にくるまっていて、起きたらご飯を食べてあっという間に寝る時間...の繰り返し。なんの苦痛もない、本当に「冬眠期間」だった。感情もほとんど動かなくて、ぼーっとしている感覚だった。

 

そうして冬休みが開ける前日、いい加減明日からはきちんと学校も行ってきちんと生活するぞと9時に寝たが、その時間で壁の時計は止まっていた。

学校へはいくものの、学業にはやはり取り組めなかった。就活も迫っているのにさらに焦った。不安が頂点に達したので担任の先生に現状を伝えて相談した。

(就活では、デザイン系の仕事の場合履歴書の他に作品集の冊子を提出するため、作品集を作らなければならない。この時期はそれに専念するのに手につかず焦っていた)

相談後、冊子の完成形を考えるのではなくまずは作品を一つ一つまとめていきできるだけの範囲で進めると決まって、結構安心した。

 

しかし、その週末大雪に見舞われ重めの偏頭痛に襲われてしまった。翌週まで安静にしていたので先生の約束を果たすのが1週間後に伸びた。

その発作は日曜日の午後、友達と話していた時にきた。初めは軽い痛みで、まあ大丈夫と思っていたが薬を持っていないと気づいた。でも痛みが続いたので、あ、カバンの中にあったはずと思った瞬間に薬のことはもう忘れていた。そしてだんだん思考と友達の声がぐちゃぐちゃと混ざりあい回りはじめた。友達の名前と自分の名前がごちゃ混ぜになり誰が誰に言っているのかわからなくなった。

帰る時にはめまいみたいになっていて雪の段差を降りた時に落ちる感覚がして、でも(なんか落ちるみたいになるなあ)と思うだけで、今体調がどのくらい悪いのかもよくわからなかった。

家に着いて感覚が少し冷静になると、今日あったことが超高速で脳内をぐるぐる回って蘇って、痛みもひどく感じたので、「あ、きっと偏頭痛のパニック発作も起きている!」と客観的に判断したのですぐ薬を飲んで電気を消し横になった。

30分程度で痛みは治まったが今度は味の濃いものがすごく食べたくなったので、レトルトのカレーと野菜のおかずをたくさん食べた。

まだ少し痛みがあったが、なんだかそわそわしてテレビをつけた。でもなんか心地悪くて消した。心地悪くてどうしようもなくて苦しくなった時に、ふとあるアーティストの歌が浮かんだのでケータイで聞いた瞬間、頭痛が止み、テレビできいたニュースのバラバラした人の音声が一本の線にまとまった感じがしてすごーく心地よかった。ピンク色の太いまっすぐな線が見えた。とても救われた。

その後しばらくして急に寒気がしてきて、不安になってきて、周期性嘔吐症の発作の予感がした。いつもなる前は寒気がするので確実だ。どうしても発作になりたくなかったので、いつも発作中に摂取する経口補水液と、おかゆのパックを、先に口にした。もし発作になったら、吐き気がしても胃に物がある方がまだマシだからだ。不安も、発作によるものだと理解して、落ち着けた。

あとは何もならないことだけを祈って寝る。

翌朝早く起きたが、無事、難は逃れた。でもまだ油断はできないため、何日か何もせずに休むことにした。その日は2杯のおかゆだけ食べて、ずっと布団の上で詩を書いて一日中過ごした。この辺りから、不安にとりかこまれることなく、世間の時間に焦らされることなく、心の時計で過ごせるようになってきた。あの日に時計が止まってからのこと。

家の中で静かに、ネットやテレビなど世間とつながるものは一切遮断し、壁の時計も取り外し、カレンダーも隠して、自分だけの時間でなーんにも考えずに過ごすようになった。3回はちゃんとご飯を食べてそれ以外はぼーっと部屋の空気を味わったり、詩を読んだり書いたり思い思いに生活した。

もう昨年のように1分1秒不安から抜け出せなくなることはなくなり、自分の心と体がだんだん一致してくるのを感じた。ある朝、今の体調で今の気分でできることは何か考えて、保存用の野菜を切ってみたら、体と心が一致する瞬間があった。この日からいつぶりかに本当の自分に再会した。

ひとまず今はマイペースに休んでいれば、そのうちまた元気になるだろう、と安心させることができた。

 

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12月ー1月の気分グラフ