CVSの生態図鑑

自分の周期性嘔吐症(CVS)の症状記録とともに、いろいろな視点で生態観察します

体の中の渦巻き

今日は頭痛があったからなのか、気分が不安定だった。その気分の状態について書く。

起きた瞬間から(起きる前からかもしれない)頭痛だった。痛み自体は薬で30分後くらいに治ったが、前後は精神不安定だ。痛い時は嫌なことばかりが頭に浮かんでいて、痛みが治ってくると同時に気分が良くなっきて、楽しみなことを考えて、喋りたくなるくらい。その軽い陶酔感が15分くらいあった後、また気分は揺らぎ始めた。楽しいことが一旦頭から通り過ぎると、退屈がやってきて、なんだかモヤモヤしたスッキリしない気分になってきた。頭痛の余韻かな、とその時は仕方ないと割り切れた。

でも1時間後も、ムラムラモヤモヤしていて、もう外へ散歩に飛び出さないとどうにもならないということになった。雪が降っていたので仕方なく厚着をして、音楽を聴きながら早足で近くの堤防へ歩いていった。音楽にのっている間は気持ちよかった。何も言い分はなかった。

しかし、一旦気持ちが高まったところで、あとは急に切なく空気が抜けて行く一方で、外へ出たスッキリ感は残らなかった。また新たにモヤモヤしながら疲れとともに家に帰るのだった。

 

帰ってすぐ横になった瞬間、自覚した。この胸の中のぐるぐるした超不安定な渦巻き現象を。体がじっとしたことで、気分のモヤモヤはまるで竜巻きのようになって胸の中で踊っていることをはっきり感じ取れたのだ。これは頭痛がなくったって今までもなんども起こっていて、私を布団の中に閉じ込める要因だったのである。それは今日のように朝から起こることも多かった。どんな現象なのかというと、それは数時間から1日続くことが多い気分の波で、その間じゅう、頭の中では嫌な思い出、悪い未来が思い起こされたり、イライラしたり、何も考えなくても暗闇や灰色の気分に直面したりする。とにかくとにかく、頭の中はせわしなく、そしてずっと暗い気持ち嫌な気持ちなのである。時間が経つとそれらの渦巻きは激しくなり、竜巻きのようになって私自身がどんどん巻き込まれていってしまう。

それを体験している間、ひどくなるまで自分が何かモヤモヤしたものに引きずられていることに全く気づかないので、延々と悪い妄想にどう答えたら良いか考えてしまう。もちろん考えても答えが出るものではない。

そして、

その間じゅう、体の外にはなんの症状も出ないし、口でいうこともできないので、当然周りの人は気づかない。私は揺れる竜巻きのバランスに耐えながら、体の外の全く平然とした日常を横目でちらと見る、でも誰も気づかないし、自分でさえ今までは気づかなかった。自分が悪いのだと思っていたから。

これが考え事とか自分のせいで起こっているのでない事を証明するのは、このぐるぐるが起こっている間、本当は動きたい(やりたい事があったり)と思っている事である。どうしようもなくて横になっているときも、今日は出かけたくないんだなと思われているかもしれないけど、本当は出かけたいときもある。しかし、動いたり何かすると竜巻きが大きくなってしまいそうなのである。渦巻きが加速して目の前がクラクラする思いなのである。

困ったことに、胸中のぐるぐるの間、それを誰かに訴えることは簡単ではない。胸に力が入っており、全く喋りたい気分ではないから。ぐるぐるが軽くなった時、ちょっとしたことなら言えそうだが、気持ちを声に出すだけで先ほど同様竜巻きが加速しそうだし、何よりちょっとしたことをいっただけでは(今日は動きたくない気分なんだなくらいのことしか)何も伝わらず、むしろ胸の中でぎゅっと力を入れて保っていたものが、声を出した時するっと腰を抜かしてしまう。そして余計にひどくなる。だからじっとして治るのを待つか、忘れて気分転換になるものを見つけるかである。なかなかうまくいかないけど。

 

一般には、この症状のことを「落ち着かない」とか、「胸がざわつく」とかいうのかもしれないけど、一言でそういってしまうのは、無理がある。

 

今日は、この竜巻き現象が自分の言動からではなく、発作的に起きているように客観的に感じたので、ぐるぐるを感じながらその全て(何を感じているか全部言葉にするのは難しい)をここに書いて、少し発散することができた。でも、余韻が残っているので2021年最後の日は少し暗く寂しく終わるかもしれない。来年またぐるぐるが起きたら、レキソタンを試してみよう。